真空調理の原理は「温泉たまご」

温泉卵は68℃前後の湯で茹でることで、黄身は半透明に仕上がる。この「温泉たまご」の原理を応用したのが「真空調理」。

真空調理の鶏肉を「温泉たまご」と仮定

●フィルム   =卵の殻の役目
●鶏肉     =卵の黄身
●オリーブオイル=卵の白身

「低温加熱効果」とは

熱伝導率

同じ100℃でも、100℃のお湯と空気では、100℃のお湯の方が熱く感じます。これは空気の熱伝導率が液体より悪いからです。

真空調理では、熱伝導率の悪い空気を媒介せず、フィルムから食材にダイレクトに熱が伝わるため、低温加熱でも食材の芯まで熱が入りやすいのが特徴。

真空調理の低温で加熱調理できる特徴を活かして、素材の味をおいしく引き出す温度で調理することができるのです。

たんぱく質が変性する温度=68℃

安全を考慮しながら、食材に適した温度で加熱することで、食材の栄養分を破壊することなく調理できる。

「低温加熱効果」実験

真空調理では、熱伝導率の悪い空気を媒介せず、フィルムから食材にダイレクトに熱が伝わるため、低温加熱でも調理できる効果があります。

ここでは、鶏肉を68℃と98℃の加熱温度で真空調理し比較してみましょう。

「低温加熱効果」実験

■低温加熱

鶏肉などの、たんぱく質が変性する温度は68℃。この温度以下で加熱すると肉の保水現象により、やわらかくジューシーに仕上げることができる。

■高温加熱

同じ真空調理でも、98℃の高温で加熱したものは、タンパク質が変性し、肉の収縮が起こり、保水性がなくなり、鶏肉の旨味や水分がフィルム内に流出。