只今ご紹介に預かりました広島大学の村川でございます。本日は「電化厨房フォーラム21」の設立大変おめでとうございます。また、このような席に講演という形でよんでいただきまして、大変恐縮に存じております。
今日お話申し上げますのは、ここ数年来、私どもの研究室、あるいは中国地方の広島地区で進めてきております研究の一端をご紹介しながら、特に電化厨房の環境や省エネルギーの問題についてどのように考えたらよいのかを皆さまと一緒に考えたいと思っております。ここ数年来、私どもは厨房環境に関する実験を進めておりまして、厨房設計においてガスを中心とした従来の設計基準に対して、電化なら電化独自の設計、あるいは設備、換気システムについて基本的に考え直す必要があるのではないかと考えております。私どもが今まで積み重ねてきた実験等を通して、これから更なる展開をしなければいけないところも多々あります。したがいまして今日示しますことは、結論に至ってないところもあります。また、いろいろご批判をいただきながら修正していかなければならないところもあろうかと思います。もし何かご意見がございましたら、是非忌憚ないお話を伺えたらと思っております。今日お話する内容は、主に厨房の空調にかかわってくる熱負荷の問題です。実際に電化厨房の場合はどうなのかということです。その次に換気量の問題です。特に学校給食施設では全部外気導入をし排気しますので、空調用負荷ということになると莫大な量になります。特に外気の冷えている冬季での暖房負荷に対しては非常に大きなエネルギーを使います。その辺の実際の換気量をどう考えるかによって、相当な省エネルギーになります。そのような視点から換気量の問題についてふれさせていただきたいと思います。その次は、私どもが実際に学校給食施設で測定をしている中で、設計上の問題かと思いますが、給水・給湯用および空調用の負荷の捉え方に対して、だいぶ量的な修正をしてきております。その結果、給湯量や空調の暖房負荷にかかわってくる電力消費量についても、相当な削減にいたっております。その辺のご紹介をしたいと思います。最後に、調査した電化厨房施設を中心に実際の実験等で求めてきた負荷をもとに試算した結果、暖房負荷を例にどの程度エネルギーを削減できるのかということについて具体的にご説明したいと思います。また、施設計画の中で特にコントロール性が非常に良い電磁調理器などを使う場合、契約電力を相当高い設定にせざるを得ないことがありますが、それを調理の段階で工程を30分ずらすなど時間的な調整を行うことによって、かなりの契約電力の低下につながるのではないかと考えています。このようなことを申し上げると、電力会社さんにとっては収入が減ることになりますので、なかなか申しにくいところかと思いますが、施設の運営管理の側面から言うと、30分の移行によって相当契約電力が落ちてきます。ですから、調理内容と作業工程などのソフトの問題と施設計画上のハードの問題の両面で考えていかなければいけないと思っています。その辺のことも具体的な実測結果を通して示していきたいと思います。
それでは、順序に従って具体的にお話していきたいと思います。まず皆さん既にご承知の通り、現在、学校給食施設の衛生管理においてHACCPシステムの導入が進められていますが、いわゆる大量調理施設の衛生管理への対応が求められる中、最近では電化厨房施設がかなり普及してきています。材料から加工、喫食というプロセスの中で、調理の流れと機器配置の問題である厨房の計画設計というソフトな面の展開を考えると、いろいろな機器の使い方いかんによっては相当なエネルギーの削減ができると思われます。当然HACCPにおいては、もろもろの記録データのもとに、各工程で重点的に衛生管理を行なっていくことが求められています。衛生管理という側面からは、食中毒対策の基本は菌をつけない、増やさない、殺すということです。それに対し、学校給食施設管理の基準として、厨房内の適正な温湿度に関しては室温25℃以下、相対湿度80%以下ということが言われています。この管理目標については、大きな空間において具体的にどこをもってこのような値を維持するのかという点で、いろいろと議論があると思いますが、一応このような数値が求められています。当然食材に対しても、加熱調理が全面にでてきますので、温度・時間の管理であるT・T管理が求められています。今回お話しますのは業務用の電化厨房ということで、主には学校給食施設に使うような大型の業務用厨房になります。

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