「病院給食施設の設計マニュアル」ダイジェスト
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第1回
川口 靖夫氏(ヒューマンフード・マネジメント 代表)
これからの医療・福祉給食に求められる条件と対応策のポイント

医療制度改革に伴う診療報酬改定によって厳しさを増す経営収支、急激な高齢化がもたらす食事形態の多様化、雇用確保の困難化等、さまざまな課題に直面する中での医療・福祉給食システム構築のポイントをフードビジネスコンサルタントの川口氏に伺った。

川口氏写真
[目次]
  • (1)厳しい経営環境打開の切り札として新調理システムが注目されている

  • (2)給食部門の赤字解消と人手不足の解消に貢献する電化厨房システム
  • (3)セントラルキッチン成功の絶対条件は、メニューと食事規準の統一化
  • (4)新設やリニューアル時には新調理システムの導入が必須条件
  • (5)電化厨房はこれからのシステムとして大きな可能性を秘めている
  • (6)電化厨房&新調理システムで満足度の高い食事サービスを

プロフィール

川口氏顔写真

30年余りにわたって医療法人に勤務する中で事務長や法人本部の総合計画推進担当として、病院、健康診断センターなどの建設、部門別経営管理、情報化整備等に携わる。2002年に医療事業協同組合の理事・事業部長に就き、給食業務の合理化と食品衛生サービス、品質の向上を目指して、「かながわセントラルキッチン」の事業化を計画し、2005年に開設。5年間経営統括責任者を務める。その後、千葉セントラルキッチンをはじめとする各地のセントラルキッチンの立ち上げや新調理システムによる業務構築を指導。2012年1月には発起人メンバーとして一般社団法人日本医療福祉セントラルキッチン協会を設立し、常務理事に就任。

厳しい経営環境打開の切り札として新調理システムが注目されている

―長年医療・福祉給食業務に携わってこられた川口さんからご覧になって、病院給食はどのように変化してきたのでしょうか?
 30年以上にわたり事務部門の立場から医療経営に携わってきましたが、病院給食は社会情勢の移り変わりとともに、大きく変化してきました。1950年に始まった完全給食制度のもと、病院における給食の提供は治療の一環であると考えられ、給食費は診療費や薬剤費等と同様に医療費として定率で賄われてきました。
しかしながら1994年に入院時食事療養費制度が新設されると、病院給食は医療費としてのくくりを外され患者個別の栄養管理に重点を置く制度へと変容し、費用の一部を定額の患者自己負担とされました。その結果、病院経営に大きな負担を強いることになったのです。さらに、2006年には入院時食事療養費制度の改定により、それまでの1日単位から1食単位へと変更され、特別管理加算も廃止されるなど、病院給食の収支はますます厳しさを増しています。
 一方で、1996年に発生した腸管出血性大腸菌Oー157による大規模な集団食中毒の発生を契機に、HACCPの概念に基づいた厳格な衛生管理が求められるようになり、病院給食においても厚生省(当時)から出された「大量調理施設衛生管理マニュアル」にもとづいて、ハード・ソフトの両面からより厳格な衛生管理が求められるようになりました。
 このような時代背景と共に、病院給食においては安全性、合理性、おいしさ、従業員の作業環境などを追及するうえで、新調理システムがもつソリューション効果に大きな期待が寄せらるようになったのです。

病院給食に関わる施策・制度の変遷

1948年 医療法制定
1950年 完全給食制度の実施
1958年 基準給食制度を導入、完全給食制度からの名称変更
1961年 特別治療食加算を認定
1986年 病院給食業務の外部委託の認可
1992年 適時適温提供等への特別管理加算の新設
1994年 入院時食事療養費制度の新設、基準給食制度の改変
1996年 病院給食の院外調理を認可
1997年 大量調理施設衛生管理マニュアル公布
1998年 適時適温の対象にクックチルが認められる
2006年 入院時食事療養費制度の改定
2010年 NST加算(栄養サポートチーム加算)の認定
2012年 栄養管理実施加算が入院基本料に包括
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