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  2. クックチル・ニュークックチル導入成功ノウハウ
  3. 2.導入効果を実現するための基本条件

(2)運営開始までの7つの取り組み

1)7つの取り組みの概要

⑤調理トレーニング

●スチームコンベクションオーブン調理の習熟

●ブラストチラーの使用習熟

●真空調理、クックフリーズのトレーニング

●形態食調理のトレーニング

●再加熱カートでの仕上げ調理の習熟(ニュークックチルの場合)

これまで繰り返し述べてきたように、クックチル・ニュークックチルによる調理システムの中核は、スチームコンベクションオーブンによる 加熱調理とブラストチラーを使用しての急速冷却にあります。
すなわち、デジタルレシピにもとづいて、食材の高精度な芯温管理機能をもつこれらの機器を適切に使用することで、厳格な衛生管理の実践や料理の品質の安定確保ができるからです。
それだけに、スチームコンベクションオーブンとブラストチラーの機能を、どの位使いこなせるかが、クックチル・ニュークックチルの導入効果実現レベルの 重要なポイントと捉えて、十分なトレーニングを積んでおく必要があります。なお、ニュークックチルの場合、最大の課題が再加熱カートでの仕上げ調理の調整にあると言われており、オーバー加熱を起こさないために一次加熱と仕上げ加熱のレシピ開発に、しっかりと取り組むことが重要です。

ポイント事項

○スチームコンベクションオーブンの場合、製造メーカーや機種によって、庫内温度の上昇速度や部位ごとの温度分布が異なるため、自施設が採用し たメーカー機種を使って、レシピの検証・補正を兼ねたトレーニングを行う

○料理によっては、規定である90分以内・3℃以下までの急速冷却ができない事態も発生するため、その際は一段置きにホテルパンをセットするなど、ブラストチラーの使用方法を工夫する

○嚥下食の調理・保管に多様なメリットを有する真空調理を有効に活用することで、形態食対応の充実・強化とオペレーション全体の効率化を図る

○ニュークックチルの場合、再加熱カートの加熱方式(電気ヒーター式・IH式・熱風循環式)ごとに、料理の相性や仕上がりが異なるため、十分な研究と検証が必要

⑥高度衛生管理システムの構築

●衛生管理研修

●衛生作業手順書(SSOP)の作成(②④の工程計画に対応するSSOPを作成)

●HACCPシステム構築

クックサーブ方式に比較して、より多くの工程を必要とするとともに、最大5日間までのチルド保管を行うクックチル・ニュー クックチルの実践には、基本的に高いリスクが存在することを認識しなければなりません。
その分、スタッフ全員を対象に充全な衛生管理教育を行うとともに、常に高度なレベルの管理システムが機能するためのハードとソフトを整備しておくことが重要です。
そのためには、外部機関や専門家による指導・協力を依頼するなど、万全な取り組みが求められます。

ポイント事項

○衛生作業手順書等の作成は、外部のコンサルタントなどに一方的に委ねるのではなく、自施設のスタッフの手での作成を図ることが、実践の場での 浸透・定着に結びつくものと捉え、粘り強く取り組む

HACCPプラン例(ポテトサラダ)

工程 危害 防止措置 重要管理点 管理基準 モニタリング 改善措置 検証方法
方法 頻度 担当者
原材料の受入 ○食中毒菌による汚染と増殖
○異物混入
○仕入れ先のチェック(製造元、流通業者)
○完全な受け入れ検査
  原材料の品質基準に従う ○伝票確認
○目視と臭い(官能)
○温度確認
受け入れ毎 仕入れ担当 ○返品または廃棄
○業者指導

○検品記録の確認
○温度計の軟正
保管 ○食中毒菌による汚染と増殖
○保管中の相互汚染
○適正な温度管理
○適正な期間内で消費
○二次汚染防止
  ○冷蔵は5℃以下
○先入れ、先出しの徹底
○原材料別の保管
庫内温度の確認 ○毎日定時
○搬出毎

保管担当 廃棄 ○温度記録の確認
○各冷蔵庫の温度計の軟正(3ヶ月毎)
下処理 食中毒菌による汚染 ○施設、設備の衛生管理
○調理者の衛生管理
○器具の衛生管理

  ○施設設備マニュアル遵守
○作業マニュアル遵守
○器具洗浄マニュアル遵守

モニタリングはせず、チェック表により定期的に注意を喚起 下処理担当 ○廃棄作業
○手順と衛生管理徹底
チェク表の確認
除菌液浸漬(玉ねぎ、きゅうり) 除菌不十分 適正濃度の除菌液を使用 CCP 100ppmで10分浸漬 試験紙で濃度をチェック ロット毎 下処理担当 再度除菌 ○チェック表の確認
○定期的菌検査
塩もみ 食中毒菌による汚染 ○手指洗浄殺菌の徹底
○器具の衛生管理

  ○手指洗浄マニュアル遵守
○器具洗浄マニュアル遵守

モニタリングはせず、チェック表により定期的に注意を喚起する 下処理担当 ○廃棄
○衛生管理の徹底
チェック表の確認
加熱調理(じゃがいも、人参) 食中毒菌の生残 ○加熱温度の管理
○加熱時間の管理

CCP 中心温度は75℃で1分以上 食品温度計またはオーブンの温度計で測定 ロット毎 調理担当 再度加熱または廃棄 ○温度時間記録の確認
○オーブンの点検
○食品温度計の軟正(3ヶ月毎)
マッシュおよび混ぜ合わせ 食中毒菌による汚染 ○手指洗浄殺菌の徹底
○器具の衛生管理
  ○手指洗浄マニュアル遵守
○器具洗浄マニュアル遵守
モニタリングはせず、チェック表により定期的に注意を喚起する 調理担当 廃棄 チェック表の確認
急速冷却 食中毒菌の増殖 冷却時間の管理   90分以内に70℃から5〜8℃まで冷却 食品温度計またはブラストチラーの温度計で測定 ロット毎 調理担当 再度加熱冷却または廃棄 ○温度時間記録の確認
○ブラストチラーの点検
冷蔵保管 食中毒菌の増殖 適正な温度管理   0〜3℃で管理 製品の温度測定 毎日定時 調理担当 廃棄 温度記録の確認
出荷・配送 食中毒菌の増殖 適正な温度管理   納入先の冷蔵庫に入れるまで一貫して5℃以下での管理 出荷時、納入時の温度確認 納入毎 配送担当 廃棄 出荷・納入時刻と温度記録の確認

出典:楠見五郎著「フードサービスの課題とクックチルの活用法」より掲載

⑦調理・提供のシミュレーション

●2日連続で100~200食程度を職員食として提供

導入に際しては、事前準備からいきなり本番に入るのではなく、オペレーション全体と工程ごとの作業を 検証し、見落としや不十分な点の確認・補正を2日連続で行っておくことが必要です。
1日目のシミュレーション検証で気付いた事や改善のためのアイデアを全員参加で積極的に出し合い、2日目に反映させるこ とで、業務の精度が高まると同時にスタッフ間の絆の強化にもつながります。

ポイント事項

○シミュレーション検証には、病院長や事務長などの経営幹部にも参加いただき、現場とは異なる視点からの注文・アドバイス等を得るとともに、給食業務への関心と理解を深めていただく場として活用する

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